グランプリシリーズファイナル@韓国

浅田選手おめっとさん! いやー、NHK杯で優勝してても、「国内ではめちゃくちゃ強い真央ちゃんだが…」の思いを今一つ退けきれないワタクシだったんですが、今回はSPもFPも言葉通り、攻めに徹した演技で、3-3の失敗ごときでは、気持ちはビクともしなかった。あらためて、そして、久しぶりに、この娘は気が強いんだなと思ったわ(笑)。ここんとこ負けどおしのキム・ヨナ選手に負けたくないという気持ちが強かったんだろうと思う。フワフワして気弱そうな表情ってほっとんど見なかったもの、今回は。そして、トリプルアクセルをコンビネーションと単独併せて2つ、プログラムの中に入れて、それを完璧に決めるとはね。これって、未来永劫破られることのない構成になったりして(恐しや)。

全体的には、キム・ヨナと比較するせいもあるんだろうけど、ふっきって体育系の滑りでもいいやと開き直ったかなぁという印象を受けた。ジャンプまでもがメタメタだったTEBのあと、とにかく飛ばなきゃしょうがないということを真央ちゃん自身が確か言ってて、そのあとジャンプ練習に多く時間を割いたのはNHK杯の成功で見てとれた。あれもこれもという迷いをふっきって、的を絞って練習したのが良かったんだと思う。NHK杯からの真央ちゃんは、それまでとは見違えるような演技だったもんね。おかげで、印象としては山田満知子/伊藤みどり直系のアスリート滑りが戻ってきたかなーという気はしたけど、なんにしろ、これが浅田選手の個性なんだな、おそらく。女優のような表現で演技を統べる人もいれば、高度でクリーンなジャンプや柔軟で美しいポジションの一つ一つで観ている人の感情を揺さぶる人もいる。伊藤みどりがそうだったように、浅田選手も後者の人種なのだと思ったよ。まぁ、とにかく歴代女性フィギュアスケーター随一の潜在能力は着実に開花しつつあることを確信した演技だった。これで、3-3まで入れた日にはいったい…。女子の枠に入れといたら、他の選手が可哀想だろう(笑)。